ユニゾン ~ ユニゾンは調律師によって違う

ピアノの中音部のキー(key)を1つ弾くと、普通に1つの音が聞こえますが、実は3本の弦が鳴っています。この3本を同じ音程に合わせる作業がユニゾンです。

一般的なピアノですと、No.1~10位まで1本弦、No.11位~26位まで2本弦、そしてNo.27位~No.88までが3本弦が張られています。ですから、最低音部の10key位にユニゾンはありません。

2本弦の所のユニゾンですが、私はまず右側の弦を合わせ、その音に左側の音を合わせます。2本弦の辺りは、倍音がたくさん聞こえますし、それぞれの発する倍音の聞こえ方も違うので、初心者には大変難しい作業と言えます。又、高速巻線機で巻いた弦は同じ響きしか持たないので、この辺のユニゾンも簡単ですが、ヨーロッパのピアノなど、職人の手巻き弦は、響きが豊かな反面、ユニゾンはとても難しい作業となります。

私のユニゾンは、音の立ち上がる瞬間の伸びと膨らみを重要視していますので、長く伸ばしますと程よくビブラートがかかって、それが心地よく聞こえるようになります。

中音から高音にかけては3本弦です。これは真ん中の弦を先に合わせて、その弦に左の弦、そして右の弦と合わせていきます。最後に3本で鳴らした時に音の立ち上がりの瞬間、いちばん伸びと膨らみを感じるところで合わせます。また、金属的な鳴りの感じがないところ、『ザラ付かない指先の感覚』と言うのも最高のユニゾンを作るために、ピアノ調律師が習得しなければならない練度の高い技術であるといえます。

続いて、先に合わせた真ん中の弦に左、右の弦を合わせますがいちばん良い音に合わせた時、3本の弦は同じ音にはなりません。仮にチューナーを使い、3本共まったく同じ音程に合わせたとしたら、このユニゾンは汚くザラ付いた音になるでしょう。この微妙な感覚による調整の連続こそが調律の妙なのです。

「調律師の数だけ調律がある」と言われますが、割り振り、オクターヴ、ユニゾンには、ほんの少しずつの微妙で繊細な調整加減や調律師の感性の違いがピアノに表れるのでしょう。

また整調や整音とも、綿密な関係で音造りに関わってきますので、我々『ピアノ調律師』は、俗に言う、「針を床に落とした」わずかな違いを聴き分ける、繊細な神経と不断の努力を惜しまない覚悟をもって、日々ピアノと対峙しなければならないのです。

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