オクターヴ ~ オクターヴはピアノが決める!

No33F-No45F間の割り振りが完成したのち、正しく揃った12の音階を、オクターヴ音程を使用して低音、そして高音へと広げ、7オクターヴ4分の1、すなわちNo1A~No88Cの音程を正しく合わせます。割り振りで、No33F-No45Fのオクターブまで合わせましたので、今度はNo44Eを基音にして、低音に向かってNo32Eのオクターブを同時に弾き合わせます。

次にNo43Dis-No31Disのオクターブ。そして、No42D-No30Dと順番に低音部にオクターブを合わせながら下がっていきます。ただ、これもピアノによって、弦設計に違いがありますから、例えばヤマハのC3ですと、No26Aisより低音側は、2本弦の巻線となります。2本同時には調律出来ませんので、左弦にフェルトウェッジを差し込み、右弦を先に合わせ、右弦に左弦を合わせます。そうです。ここからはユニゾン調律も合わせて行ないます。

オクターヴは割り振りと違い、共通倍音の唸りを、数えたりする事はありません。なぜなら、オクターヴ音程は基本的に唸りゼロだからです。ですがオクターヴが合っていると感じる音には幅がありますので、狭いオクターヴや、広いオクターヴと言った事が存在いたします。これもピアノにより、調律師により違います。またオクターブ3度や2オクターブ3度等を用い、より細かな調律を目指します。

私の調律するオクターヴは、とにかくいちばん音色に膨らみがあり、伸びの良いオクターヴで合わせるようにしています。しかし、それは結局それぞれのピアノが「ここで合わせてください!」と言っている声を聴き、その通りに調律するだけです。これが「オクターヴはピアノが決める」ということです。

「ピアノ調律はピアノによって微妙に音程に違いが出る」と、はじめに申しましたが、その微妙な違いも、この「オクターヴはピアノが決める」に起因します。

その差がいちばん如実に現れるのが最高音のNo88Cです。もっともきれいなオクターヴを聞きながら合わせていくだけなのに、インハーモニスティを考慮しない机上の計算より、あるピアノでは20セント高くなり、またあるピアノでは50セント~60セントも高くなります。半音100セントが平均律の決まりごとですから、60セントも高いと言う事はNo88CというよりNo89Cis(存在しませんが)に近い音ということとなります。

しかし、各々のピアノの響きを重視して調律をすることで、必然とこのようになるのです。また逆に低音部は必然的に少しずつ低くなり、最低音No1Aでは机上の計算より8~30セント低くなります。

もしも一般の方が、仮にお手持ちのチューナーで調律をしたら、最高音のCは、誰が聴いても低く感じるようになるでしょう。そして低音は高く聞こえることになるのです。

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小林泰浩

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